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’05 アラシゴト~翔クン~

小学校はバスを2つ乗り継いで通ってた。別に大変だとは思わなかったよ、それが普通だったから。ただ、地元に友達がいないから、ちょっとした疎外感はあったかもしれない。放課後、親の仕事が終わるまで、地元の学童保育みないなのに行ってたんだけど、知らないヤツばっかだし、制服なんか着てるのもオレだけ。学校の友達の家に行くのも、バスに乗ったり、親に車で連れて行ってもらわなきゃいけなくて、、、。でも、習い事をたくさんしてたから、遊ぶ時間もそんなになかったけどね。オレにとっては学校が全てだった。しかも、小学校の6年間はクラス替えもないから、クラスとしての結びつきがすごく強くなっていくの。そのクラスごとの色みたいなのがあって、今でも微妙に出るくらいだからね。

事務所に写真を送ったのは中2の時。友達と「おまえやってみろよ」「おお!」みたいなノリで。ほとんど冗談だよね、もしオーディションに呼ばれたりしたら、話のネタになるなぁ、くらいの。それがこんなことになるなんて、本当に思いもしなかったよ。

考えたらオレ、光GENJI大好きだったんだよね。ローラースケート履いて良く真似してた。でも、オレが育ったのはそういう世界を否定するような環境だったから、憧れる一方で‘ああいう人にはなっちゃいけないんだ’みたいな意識もあったんだよね。でも実際に、オーディションに合格して、その憧れに手が届く所に立ってるんだ、って思ったら、もう気持ちを抑えられなかった。母親は反対しなかったよ、「やりたいようにしなさい」って。オヤジは基本的に反対だったみたいだけど直接は言ってはこなかった。もちろん今はすごく応援してくれてるけど。

でも、当時はジャニーズJr.か学生か、って言われたら、オレは完全に学生だったね。試験のひと月前からは仕事も休んでたし。それは自分で決めたの。学校よりJr.としての活動を優先するなんて考えられなかった。オレにとってJr.の活動は、学校にちゃんと行って、いい成績とった上でならやってもいいものだったから。それで、Jr.の中に自分の居場所がなくなったとしても、仕方がないと思ってた。ただ、オレ、踊りが大好きだったからさ。すごい頑張って練習しても、振り付けすら完全に覚えてないようなヤツが自分より前で踊ってるような状況が続いた時は疑問を感じたよね。そんなんだったら、って学校の1年上の先輩と、ダンスグループみたいのを作って踊るようになった。

‘高校卒業したらジャニーズは辞めようかな’って思ってたの。先輩達の後ろでカメラに映るわけでもなく、踊ってるだけ、っていう状態が1年近くも続いてたからね。将来のことを考えたら、‘いつまでもJr.を続けていうことは難しいだろうなぁ’っていうのを、何となく感じていた時期でもあったからさ。ジャニーさんから「ワールドカップのイメージキャラクターをやらない?」って電話がかかってきたのは高3の6月。その時も試験前で仕事を休んでたの。その頃、Jr.内にはいろんなユニットがあったから、それも同じく一時的なものだと思って「いいよ、やるよ」って答えたんだよね。翌年の1月に高校の試験が終わったら、4月の大学入学まで海外留学しようと思ってたの。同時のマネージャーさんにそう言ったら、「それはちょっと難しいかもね」なんて言われてさ、それで‘なんかおかしいな、、、’って思い始めた。‘ワールドカップが終わったら終わり’っていうグループじゃないかもしれない、って。その時にはメンバーも今の5人にかたまって、既に逃げられない状況になってた。

オレの中で‘嵐、いいかも’って思えるようになったのって、翌年春の1stコンサートあたりだよ、たっぷり半年かかった。グループ組まされたからって、急にそれぞれの距離って縮まらないよね。コンサートのリハーサル中も、5人がガッツリかみ合っている状態ではなかったと思う。それが、コンサートの最後に5人で手を繋いで、「オレたちは嵐!」っていうじゃん。あれって、お客さんに言っているようで、実は自分たちに言い聞かせているようなところがあって、、、。少なくとも、オレの中では、ステージでそう叫ぶ度に‘5人で嵐なんだ’っていう気持ちが強くなっていった気がする。

『HERE WE GO!』ツアーはすごく感慨深いものがあるよ。この時初めて5人でいろんなことを話し合った。嵐をどうしていこうか、その為に自分たちに出来る事は何か、そもそも‘嵐らしい’ってなんだ、とか。コンサートが終わってから毎日、朝まで。不安だったんだろうね、それまで勢いだけでやってきたのが、ちょっと自分たちのことを客観的に見られるようになった時期で。それでいざ見てみたら、「あれ?」っていうさ、「あんまりいい結果を残してきてないんじゃないの?」って。嵐として‘やっと上向きの波に乗り始めたかな’って時期だったんだけど、肝心の自分たちの意識が全然付いていけてなかった。一人一人ではずっと模索していたと思うけど、嵐として考える所までは余裕がなかったんだと思う。でもそれじゃいけない、ってことがわかていたから、それぞれ不安にもなっていたし、あの時自然に話し合う形になったと思うんだ。その時初めて嵐が嵐らしくなったような気がしてる。5人の気持ちが同じ方向、しかも高い所を向いて、一つになれたような気がするんだよね。

芝居や音楽、バラエティーにしても結構並列なんだよね。どれが一番好き、とかないの。それぞれの楽しさがあるしね。それぞれに対して、力をつけるための事は出来る限りやっているつもり。でもね、‘自信がある’って言えるものが何一つなくて、、、。将来に向けて、何か1つ確かなものが欲しい、そう思う。この世界における‘確かなもの’ってなんだ?ってことにもなっちゃうんだけど・・・。人気も確かなものとは言えないし。実力があれば成功出来るとも言えないし。でも、そういうことはわかった上で、だからこそ、実力だけは文句なく備わっている状況にもっていきたい、って思う。

10周年を迎える頃には、27歳か、、、。まだそんなもんなんだ。願わくば、今よりもっと個人の活動が増えていて、5人で集まる機会が少ないくらいになっていればいいな、と思う。今もそうなんだけど、久しぶりに5人がそろうとすっげー面白いんだよ。それぞれ話したいことがたまってるし、遠距離恋愛中の恋人同士みたいなの 「やっと会えたね!」って感じで。テンション上がりまくってるからね。あとは、1回くらいケンカしてもいいかな。ケンカしたところで、悪い方には転ばない、ってわかってるし。逆に新しい、いい面が出てくるかもしれないな、って思うから。

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櫻井 翔」カテゴリの記事

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